2009年7月21日火曜日

重商主義・重農主義 2

イングランドの重商主義的財政家
「悪貨は良貨を駆逐する」とする
グレシャムの法則で有名

重商主義は交易路と交換媒体を独占する
インドや東南アジアにおける胡椒の希少性および価値と、ヨーロッパにおける胡椒の希少性および価値には差異がある。その差異の間に介在して差益を得ることができるが、そこで得られる富は金銀であり通貨である。金銀など貴金属もあるいは貨幣もともに交換媒体(コミュニケーション・メディア)である。重商主義においては交換媒体を貯えることが国富であると換言できよう。
これを追求するとどういうことが起こるだろうか。効率の良い交換媒体の蓄積を図ることが国益に適うという発想になる。つまり、差益を最大にし、かつ量を最大にするのが良いということになる。多くの人が求めるものを、生産者とは安く交換し消費者とは高く交換し、交易路(販路)を独占することになる。このうち、交易路を独占すれば価格を自由に設定できるのだから、交易路の独占が最も重要な要件となる。ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスといった海洋帝国が海外交易路の独占を求めて覇権を競った理由がここにある。
ポルトガルやスペインは金銀といった貴金属そのものの蓄積を指向したが(重金主義)、オランダやイギリスは金銀や通貨の持つ交換媒体性を指向した。交換媒体は広くそれが交換可能であるという幻想を共有されていなければならない。そういう交換媒体が価値があると見なされる。つまり現代でいう基軸通貨である。交易路と交換媒体、二重の独占が成立する。
交易を独占し差益を大きくとれば当然、搾取構造になりやすい。また、自国の産業についても制約や干渉を及ぼす。イギリスでは航海条例によって交易路の確保を行うとともに、地主の保護を目的に穀物法を制定して安価な穀物の輸入を制限し、競争にさらされるような自国の産業を保護した。一方でその構造を維持するために自由な生産、自由な流通には制限が加えられる。勝手な生産や勝手な流通はするなという圧力だ。このように、重商主義は保護主義を招きやすい。
このように15世紀から18世紀において、海洋覇権国を中心に、強力な王権の下、保護主義的な色彩の強い、交易路と交換媒体の独占が行われ富の集中が起こった。

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