2009年4月24日金曜日

疫病の季節 5 ~厄災の時代を生きる

■籠城戦(引きこもり作戦)

新型インフルエンザの社会的流行が起こった場合に推奨されているのが引きこもり作戦です。食料や生活用品を備蓄して引きこもるのは、第一には感染しないようにということでしょう。しかし注意してほしいのは、未感染のまま引きこもっているだけでは、常に新型インフルエンザに対して感染リスクのある状態のままだということです。

そこで、引きこもり作戦を継続しながら感染までの時間を引き延ばし、プレパンデミックワクチンやパンデミックワクチンの配給接種を待つということが期待されます。籠城戦の成否は補給の確保と援軍の有無です。食料や生活用品を備蓄し補給を確保して、抗インフルエンザ薬やプレパンでミックワクチン、パンデミックワクチンといった援軍の到着を待つことで勝機を見いだします。

もう一つの目的は、感染までの時間を引き延ばすことで患者の集中を分散させるという効果です。患者が一時期に集中し、患者発生のピークが高くなるほど医療機能は崩壊します。患者が集中すれば抗インフルエンザ薬もすぐに底をつくでしょう。感染機会をずらし分散させることは社会資源を破綻させずに機能させる上でとても重要な協力です。同様に籠城のための食料や生活用品を普段から備蓄をしていれば、物資の需要を分散させ、パニック買いなどによって物資供給を破綻させないことにもつながります。

食料や生活用品を備蓄するにあたって、どれくらいの日数分を見込むかという点については、さまざまな意見があります。厚生労働省は2週間程度の備蓄を推奨していますが、2ヶ月程度の備蓄が必要だとする意見もあります。例えば4人家族×2ヶ月となると保管場所だけでも相当なものになりますので、闇雲に大きくとっておけば大丈夫というものでもないでしょう。

備蓄しておくものとしてはどのようなものが必要か。以下に列挙してみました。ネット上の情報を参考に広く上げてみましたので全部が必要というわけではありません。本当に必要なのかどうかよく吟味すべきかと思います。また水や燃料についてはライフラインが止まることを想定するかどうかによっても違ってくると思います。

【食糧】
▼水
上水道が維持されていれば必要はないが、もしもライフラインが停止すれば水は必要となる。
 □ 水(3リットル×人数×日数分)
 □ 空ペットボトル/ポリタンク(貯水用)
 □ 浄水器(汲み置きした水を飲用するため)
▼飲料
感染し、高熱が続けば蒸散する水分が多く脱水になりやすい。下痢などの症状あればなおさら。
体温を冷却するうえでも水分補給は必要だが、消化管の吸収能力も低下していることが予想される。
吸収の良いスポーツドリンクを薄めて(そのままだと濃すぎる)飲用することは点滴代わりとして有効。
高熱下では、だるくて粉末を溶かして作るのすら面倒になる。早めに作り置き。
 □ スポーツドリンク/粉末スポーツドリンク
 □ ペットボトル入り飲料/缶入り飲料(お茶、野菜ジュースなど)
 □ ロングライフ牛乳 など
▼栄養補助食品
新鮮な食品を得ることができなくなる。ビタミン剤など補助食品で補う。
 □ カロリーメイト等
 □ ゼリー状栄養飲料
 □ ビタミンサプリメント など
▼食糧
スーパーなど人の多い場所は感染リスクが高いので、できるだけ避けたい。
流通や小売りが麻痺したり、食料の確保に人が殺到して、物不足になる可能性もある。
保存のきく食料は日頃から備蓄しておきたい。
単調な食事は飽きやすく精神的なストレスになりかねない。
食事にヴァリエイションをもたせるのも、長い期間を耐え抜く工夫。
玄米、五穀、胡麻、豆などは保存が良く、少量ずつ混ぜながら摂ると栄養的にも良い。
 □ 米(白米、玄米、無洗米、アルファ米、パック入りごはんなど)
 □ 切り餅
 □ 乾麺(パスタ、そば、ソーメン、うどんなど)
 □ インスタントラーメン/カップ麺
 □ コーンフレーク/シリアル
 □ パンの缶詰/乾パン/クラッカー
 □ 缶詰(魚、肉、コーンビーフ缶、スパム缶、豆、果物など)
 □ スープ缶
 □ レトルト食品(カレー、お粥、味噌汁など)
 □ フリーズドライ食品(卵スープなど)
 □ 冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
 □ お茶漬けの素、お吸い物の素
 □ ベビーフード、粉ミルク(乳児だけでなく、消化吸収が落ちた高齢者にも)
 □ 乾物類(煮干し、わかめ、海苔、ひじき、椎茸、麩など)
 □ 乾燥野菜(切り干し大根、干し芋、干しワラビなど)
 □ 胡麻、豆、五穀、雑穀、ナッツ類など
▼調味料 
 □ 塩 
 □ 醤油/めんつゆ
 □ 味噌 
 □ 砂糖 
 □ ジャム
 □ ソース/ケチャップ/マヨネーズなど
 □ ジャム/バター/マーガリンなど
▼菓子類(菓子類があるとちょっとした心の安らぎになります)
 □ ドロップ/アメ 
 □ チョコレート 
 
【日用品】
 □ 圧力鍋(玄米を炊くなどなにかと使いでがある。エネルギー効率も良い)
 □ ペットフード/ペットシーツ/ネコ砂などペット用品(必要な方)
 □ トイレットペーパー
 □ ティッシュペーパー
 □ 保湿ティッシュ
 □ 生理用品
 □ キッチン用サランラップ 
 □ アルミホイル
 □ ゴミ袋
 □ 洗濯洗剤/食器用洗剤
 □ 石鹸(液体石鹸がのぞましい)
 □ 歯ブラシ、歯磨き粉 
 □ シャンプー/リンス
 □ ボディーシャンプー 
 □ 綿棒
 □ 紙コップ(断水対策) 
 □ 割り箸

【医薬品・消毒薬等】
 □ 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)
 □ 常備薬(胃薬、下痢止め、その他持病の処方薬など)
 □ うがい薬
 □ 家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウムを主成分とするもの)
 □ 消毒用エタノール(76.9~81.4%)
 □ ポビドンヨード消毒液(イソジンなど)
 □ 二酸化塩素消毒薬/二酸化塩素消毒用スプレー

【衛生用品】 
 □ 水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
 □ アイスノン/保冷剤(発熱時に頭と脇下を冷やす)
 □ 体温計
 □ 使い捨てカイロ、湯たんぽ
 □ 絆創膏(大・小)
 □ サージカルテープ
 □ ガーゼ・コットン
 
【感染対策用品】 
 □ ビニール袋、蓋付きの密閉容器(ウイルスに汚染されたゴミの密封に)
 □ 使い捨て手袋、またはゴム手袋(破れにくいもの)
 □ 紙おむつ(大人用、子供のいる家庭では子供にあったサイズ)
 □ 使い捨てマスク
 □ 三層式外科用マスク(サージカルマスク)
 □ N95対応マスク(あまり現実的ではないのでは)
 □ 防じんマスク
 □ ゴーグル/防護メガネ
 □ 使い捨て保護服
 □ レインコート(外出時に使用)

【防災用品】
 □ 懐中電灯
 □ 防災ラジオ/携帯テレビ
 □ 乾電池各種
 □ 携帯電話     □ 携帯電話充電キット
 □ カセットコンロ  □ ガスカートリッジ 
 □ 石油ストーブ   □ 灯油 
 □ 緊急連絡先リスト

と、まぁここまで列挙してみますと、防災用品の備蓄と似ていることに気が付きます。つまり新型インフルエンザに対する備蓄も地震などの災害に対する備えも、家庭の危機管理対策として共通するものだと考え、普段から準備しておくのが無理のないことのように思います。いきなり全部そろえようとしても大変ですから、普段のお買い物にちょっとプラスして、徐々に充実させておくことが良いでしょう。


■ライフスタイルの転換

新型インフルエンザはあくまで仮説です。いつ発生するかもわかりません。発生しないかもしれない。いつ起こるか、あるいは起こらないかもわからないことに備えておくというのはなかなか大変です。いくら保存が利くとはいっても食品となれば無限に保存でくるものでもありません。常日頃から保存期限内に消費してローテーションさせておくことが求められます。だとすれば普段からそういう生活にしておくことが都合がいいのではないでしょうか。

米は多めに買っておく。できれば玄米で買って自家精米すれば美味しいですよ(うちは自家精米です)。流行の雑穀類を加えれば栄養的にも良いでしょう。ソーメンやうどんの乾麺は箱買いして1年くらい寝かせた方がかえって美味しいです。豆は大豆、小豆、インゲン、ヒヨコ豆、レンズ豆などいろいろそろえておけば、一晩水で戻して美味しく食べられます。豆類のトマトスープや豆カレーなど使い道は工夫次第。日持ちのよい根菜類と麩、カンピョウ、切り干し大根、魚の干物などと合わせて炊くのもいいでしょう。乾燥ワカメや昆布など海草類の乾物も戻してサラダに使えます。少し多めにストックしておいて、普段からこういった食事をしていれば、いざというときもそう困ったものでもありません。それになんだか健康にも良さそうじゃありませんか。フードマイレージも小さそうだし、地産地消にもかなったものになりそうです。干物は自宅でも作れます。こういう食事なら食料自給率も上がるのではないでしょうか。

屋根に太陽熱温水器やソーラーパネルを上げてお湯や電気を自給したりすればこれもまた心強い。メールやiChatなどを使った業務の進め方を構築しておけば自宅勤務という対応もとれます。ネットバンキングを使えば金融機関に出かけずお金の出し入れができます。そういう体制がとれるのならいっそ人口密度の高い都会をはなれ、人口密度の低い田舎に疎開することも可能かも。

なんだか新型インフルエンザに備えた生活というのは、地震などの災害対策にも、もしかしたらハイパーインプレに対しても、さらに脱石油時代の低エネルギー生活についても理にかなったもののように思えてきましたよ。


■疫病×放射能

http://idsc.nih.go.jp/disease/avian_influenza/map-ai2008/tori080507.gif

今年になって秋田・青森にまたがる十和田湖と北海道で、死んだ白鳥からH5N1亜型の鳥インフルエンザウイルスが検出されました。韓国では鳥インフルエンザの拡大が収まらず、韓国全土に広がったのではないかとの見方もあります。インドネシアではこれまで逐次患者発生を発表していたのを6ヶ月に1回まとめて発表することにしたため、その実態がわからなくなってしまいました。未確認ながら北朝鮮で死亡者を出す伝染病が流行しているという噂もあるようです。新型インフルエンザが何時どこで発生するのか、鳥ーヒト感染や、さらにヒトーヒト感染の発生には厳重に監視してゆく必要があります。

ミャンマー~四川~チベットという地域は鳥インフルエンザ発生の点からも非常に重要な地域だそうで、ジャーナリストの青山繁晴氏がテレビ番組の中で、四川大地震のリスクとして伝染病や鳥インフルエンザの蔓延を危惧していました。また同時に、核施設からの放射能漏れの可能性も指摘していました。
http://jp.youtube.com/watch?v=nJmNeAQdD6I
http://jp.youtube.com/watch?v=ZFnt3w5uZ2o&feature=related
http://jp.youtube.com/watch?v=KFn6wDxq_Dc&feature=related

これと関係あるかどうかはわかりませんが、放射能については連山コラムニストの橘みゆきさんも、たいへん気になる報告をされています。

伝染病蔓延だけでも大事ですし、放射能漏れだけでも大事なのに、「鳥インフルエンザウイルス」×「放射能」って...。実際に環境放射線がウイルスの遺伝情報にどの程度の影響を与えるのか、きちんとした根拠に基づいた意見ではありませんが、とてもいい気持ちはしません。

四川からは、家も仕事も失った人達が他の地域や外国に流出しはじめているという情報もあるようです。鳥インフルエンザの発生と人への接触を注意深く観察してゆくべき地域で、人の流れが大きくなり、その実態もつかめないというのは不安な気持ちにさせられます。


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