2009年3月13日金曜日

バランサーとは何か

バランサーといえば、盧武鉉前韓国大統領の「北東アジアのバランサー論」が思い出されます。盧武鉉前大統領は「韓国が北東アジアのバランサーになる」という方針を打ち出し、アメリカの不興を買ったのですが、これは韓国がアメリカと中国の間に立ってパワーバランスを取ることで韓国の存在を示そうというものです。

では、バランサーというのはどういうものでしょう。

バランサーが目指すところは均衡の維持です。均衡世界指向です。これは統一世界指向と対極にあります。面白いのはグローバリゼーションも中華思想も統一世界指向であるところです。一つの思想、一つのやり方に統一され均一な世界になることを目指すものですね。バランサーはその対極ですから、多様性を維持し、それが均衡する世界の維持を目的とすることになります。多様性を維持するほうに賛成、単一性を推進するほうに反対です。すべてはバランスの上に成り立つ。バランスは維持されねばならないというわけです。ですから、行動原理はシンプルです。一言で言えば“判官贔屓”、シーソーに例えれば「無条件で軽いほうに乗る」です。二つの勢力があれば劣勢なほうにつく。もう、“無条件に”です。決して風向きを見て優勢なほうに尻尾を振るのではありません。イソップ物語のコウモリのように勝ち馬に乗るのがバランサーではないし、どこに対してもいい顔をする八方美人もまたバランサーではありません。これまでの日本はというと、敗戦国であってアメリカ支配の下にありましたから、無条件にアメリカに乗っていたといえましょう。

となるとバランサーというのは難しいですね。二つの勢力の間に立って影響を及ぼすほどの力を持っていなければならない。そうしますと双方からの懐柔工作が生じますでしょうからそれに抗して独立性を維持しなくてはなりません。また状況の変化を鋭敏にキャッチして、瞬時に対応する機動性が必要です。二正面戦にならぬように立ち回らなくてはならない。自立すれど孤立せず。そういう気概と智慧が必要です。

さて、現在の状況はどうかといいますと、アメリカによる統一世界は崩壊しました。一方、中国による統一世界の可能性は大きくなっています。それを良しとするか、そこは人によって様々でしょう。次の主人を求めるかのように、中国支配の下での日本を望む人もあるかもしれません。私はというと、中国に対して歯止めのなくなった世界を想像すると危機感をおぼえますので、均衡世界派ですね。そうしますと、従米でも反米でもない、媚中でも反中でもない、今の状況ならさしあたりバランサーとしての共米抗中ということになりますか。とはいってもアメリカの中の人も様々ですからそんなにシンプルではないでしょう。まぁ、まず日本の自立ですが。

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