2009年2月23日月曜日

中国は本気。日本はどうなの?

産経ニュースにこんな記事がありました。

 【北京=矢板明夫】「中国政府と中央銀行が米国国債への投資を続けることは、賢い選択だと私は信じる」「米国債は安全だ。われわれは同じ舟に乗っており、幸いなことに同じ方向に漕いでいる」-。クリントン米国務長官が22日、アジア歴訪を終え帰国の途につく際、テレビのインタビューに語った言葉が中国で反響を呼んでいる。米国国債の継続購入の是非をめぐり世論は二分している。
 香港紙「東方日報」(電子版)は、「中国を同じ舟に乗せようとしている米国に気をつけよう」と題した論評を掲載。すでに7000億ドル近い米国債を保有し、日本を抜き米国の最大債権国となった中国が将来、米国の財政悪化で国債暴落ドル安のダブルパンチを受け大損する危険性を指摘した。「ヒラリー氏が中国に提供しようとしているのは安全な箱舟ではなく、これから沈んでいく泥舟だ」とし、「中国は神様ではない。世界を助けられない」と米国に「ノー」を言うことを主張している。
 これに対し、中国社会科学院の国際金融研究センターの張明研究員らは、「米国経済が早く立ち直らなければ、輸出に頼る中国経済の回復も遅れる」などを理由に、米国債の継続購入を主張。このほか、「米国債を大量保有すれば米国への発言権が強くなり、中国の影響力拡大につながる」と指摘する外交筋もいる。
 しかし、一般市民の間では、購入継続への反対が圧倒的だ。大手ポータルサイト「騰訊網」が行った世論調査では、米国債の継続購入に反対する人は77%に達し、賛成の11%を大きく上回っている。書き込みによると、「なぜ貧乏人が金持ちに金を貸さなければならないのか」というのが最大の反対理由になっている。
アメリカの国債をこれからも引き続き購入するか否かの是非をめぐっての言論です。今回のクリントン国務長官が米中の緊密な関係言及した背景には、これまで通り米国債を買い受け、アメリカ経済を支えて欲しいという意味がある、との解釈があり、それに対して、「アメリカ国債は不良債権化する。これ以上アメリカ国債を購入するのは危険だ。手を引け」という意見と、「アメリカ経済に依存しているので、アメリカ経済が立ち直ってもらわないと困る。米国債購入を継続して支えるべき」という意見とがあって、前者が優勢なようだということです。もっとも中国政府は売っぱらうつもりだろうと思いますが。日本が大量に買い支えしているところで中国が売り抜ける、という絵が出来上がっているんじゃないでしょうか。

私が驚いたのは、これが中国での議論であるという点です。私は中国には安全な言論はないと思っているのですが、それでもアメリカ国債の購入を巡って賛否両方の意見が出され、その是非が議論されるという状況は、日本におけるそれよりも現実を直視した真剣な言論ではないかと思えたからです。もっともこの中国についての記事も一部の意見を紹介しただけかもしれないので、それだけで判断するわけにもいきません。77%という数字も、世論誘導のための作為的なものかもしれないし。とはいうものの、日本のメディアでアメリカ国債の購入を巡る議論をきちんと取り上げているところはあっただろうか。そしてそれに意見を寄せることは盛んだろうか。もしかして現状の日本より、中国のほうが自由で健全で闊達な議論がなされているのではと思ったら、ちょっと愕然としたというわけです。もちろん日本でもいろんなブロガーさんたちがこの問題は取り上げ指摘していますが、社会一般の共通なものにはなっていないように感じます。もしかしたら私たちが高を括っているうちに、中国の後塵を拝しているのではないかと危惧します。

これはなにも中国の見通しは明るいということを言っているわけではありませんん。中国も危機でしょう。しかし、中国のほうが日本よりも真剣さあるように感じるのです。すくなくとも、中国のほうが低廉賃金耐性は高いでしょう。行動力やコミュニケーション能力も高そうです。トップの方は戦略的でしたたかです。必要とあらば強行も辞さない決断力もありそうです。かたや日本のほうはというと、まだまだ現状認識ができずになんとものんびりしたように見えます。

3月から、世界初の大量生産プラグイン型ハイブリッド車「F3DM」の出荷が始まる。「DM」は2つの動作モードを表す「デュアル・モード」からとった。F3DMは1回の充電分でバッテリー走行では100キロ、ガソリンとの混合モードならば580キロの走行が可能だ。
自主ブランドメーカーとしては中国で最大の奇瑞汽車(Chery Automobile)が、ガソリンを使わない純粋な電気自動車を今週発表します。PHYSORG.comによると、車の名前はS18。充電に家庭用コンセントを用いる、いわゆるプラグイン電気自動車です。満充電までに必要な時間は中国の220Vコンセントで6時間。ただし30分あれば80%までは充電できるとされています。120km/hという最高速度は十分かつ必要以上ですが、満充電で150kmという走行距離は不安の残るところ。
100km走れれば、日常ユースそうそう支障はありません。これが、コンビニやファストフード店で充電できるようになれば、あっという間に全国に充電ステーションが展開できます。元安円高になれば購入可能な価格で日本にも入ってくる可能性があります。かたやアメリカにどっぷり足を突っ込んでいた日本の自動車メーカーは身動きが取れません。
上海ではキャパシタを利用したトロリーバスが運行しています。



このハイパーキャパシタ技術、もともとは日本の技術だったそうで、でも日本が金を出さないので中国に買われた、なんて話もききます(ホントかどうかはわかりません)。「中国は部品組み立てだけで、先端技術はない」なんて思っていませんか? 技術はなにも独自開発でなくても集まります。資本も技術も研究者も固定資産ではないのです。アメリカの国富や先端技術を抱えて、丸ごと中国にお引っ越ししようとしている人たちがいるなんて話も耳にしますよね。国家という概念など関係ない人もいますから。そうでなくてもデフレ競争、低賃金競争となれば日本は中国にかないません。日本の先端企業であっても、生産拠点を中国に移そうと考える考える企業があって不思議ではないでしょう。最近まで潤沢な資金で日本が買われるという話がありました。こんどは低廉なコストで日本が買われるということが起ころうとしています。安いものは中国製品、先端技術は国産品なんて思っていると、価格はもちろん技術でも中国に太刀打ちできなるなるおそれがあります。


なにも中国脅威論を振りかざそうというわけではありません。中国だって様々な困難を抱えて必死です。それよりも日本自身です。内輪もめしてこんがらがっている場合ではないでしょう。日本自身がしっかりして、未来を見据えていかねば始まりません。日本が目指すべきは超高効率社会、超省エネ社会、超低廃棄物社会という社会構造自体のイノベーションではなかろうかと思います。

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