2009年1月29日木曜日

ブラックバス循環


 トウモロコシなど輸入穀物の値上がりが続くなか、琵琶湖の外来魚、ブラックバスブルーギル養鶏飼料の原料として注目されている。生態系を乱す厄介者扱いだが、栄養価が高く、大量に調達できる点が歓迎され、一風変わった「地産地消」の試みが動き出した。

(中略)

 これまでは原料の多くを輸入の大豆やトウモロコシに頼ってきたが、世界的な穀物高でこの2年間でエサ代は約1.3倍に上昇した。農林水産省によると、輸入トウモロコシなどでつくる配合飼料の価格は、06年9月に1トンあたり約4万3千円だったのが、昨年9月には約6万5千円まで値上がりした。こうした穀物高に加え、魚粉の主原料になってきたイワシも漁獲量が減少し高騰している。

 外来魚の魚粉入り飼料も輸入穀物よりまだ5割高で安くはないが、組合の西田敏代表理事は「従来の飼料を与えたニワトリより肉に臭みが少ない。琵琶湖の外来魚がエサだという意外性にも反響がある。琵琶湖の漁師が喜んでくれるのなら一石二鳥だ」と話す。

 安定した供給が期待できることも追い風だ。滋賀県水産課によると、琵琶湖には約1600トンの外来魚が生息し、琵琶湖の固有種でフナずしに使われるニゴロブナなどの漁獲量を激減させてきた。県が補助する県漁連の外来魚駆除事業では、漁師らが毎年400~550トンを捕獲する。かつては埋め立て処分していたが、99年からは魚粉に加工し、販路を探ってきた。

外来魚に悩まされている湖水は多いことと思います。食べればいいのですが、どうもウケが良くありません。しかしこれを鳥の餌に加工すれば輸入飼料に依存する割合を減らすことができて一石二鳥です。鶏糞を肥料にすれば一石三鳥。特に、植物の生育に必須な三大栄養素の一つである リン は、放っておけば溶出するだけなので、常に土壌に補給してやらねばなりません。ところがリン肥料の原料となっていたリン鉱石は世界的に枯渇してきており、生産国では輸出制限の対象となってきています。自国の食糧生産のほうが大事ですから。このような状況なので、これまでのようにリン肥料が使えなくなることが予想されています。ではどのようにリンを確保すべきか。溶出したリンは最終的には河川から海に至ります。昔から日本では魚肥が使われていましたが、これは溶出したリンを回収し再循環させる仕組みでした。湖水の外来魚を鳥の飼料にする。その鳥の糞を畑の肥料にする。そうすればリンの循環が成立します。持続可能な農業生産の一環としても、この琵琶湖の試みは注目すべき試みであるといえましょう。

ところで循環するのはリンばかりではありません。もしも琵琶湖が化学物質や重金属(例えば水銀)で汚染されたら、それもまた循環の輪に入っていきます。持続可能な循環型社会は、物質の拡散と循環という側面をも持ちます。循環型社会であればこそ、いっそう物質循環には注意を払い、厳密に監視していく必要があります。

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